30代にオススメしたい医療保険とは?必要性から保障内容まで徹底解説!

30代にオススメしたい医療保険とは?必要性から保障内容まで徹底解説!
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みなさんは、30代はどんな世代だと思いますか?
30代で考えられるイベントには、「結婚」「出産」「子育て」「マイホーム購入」などがあり、人生の中でも大きな変化が起こりやすい時期でしょう。

また、健康面では、健康診断の結果などに指摘事項が増えだす年代。
今まで指摘がゼロだった方も、「経過観察」や「要再検査」の項目が出てきて、健康意識が変わる方も多いのではないでしょうか?

たしかに…。この間の健康診断で初めて指摘があったんだよね。

ライフスタイルや健康意識が変化するときは、保険を見直すのに最適な時期

この機会に、生活の変化に見合う必要な保障を準備しないと、万一のときに自分や家族を守れない可能性もでてきてしまうんですよ。

そこで、この記事では、「30代で医療保険が必要な方」や「30代に必要な保障内容」「医療保険に加入することで得られるメリット」などをご紹介していきます。

医療保険未加入の方も保障の見直しを検討している方も、この記事を読むことで今の自分に必要な保障が把握でき、無駄のない医療保険がみつけられるはずです。

目次

30代で医療保険が必要なのはこんな方

30代で医療保険の加入をオススメしたいのは、こんな方です。

  • 持病がある方
  • 入院や手術の治療費が心配な方
  • 治療方法の選択肢が欲しい方
  • 結婚して家族が増えた方

持病がある方

医療保険への加入をいちばんオススメしたいのは、持病のある方です。

医療保険は、病気や怪我で入院や手術をした際に給付金が受け取れる保険のため、入院や手術のリスクが高い持病のある方ほど、医療保険が必要になります。

持病がある人とは

下記のような疾患で継続的に予防や治療を続けている人のこと

  • 心疾患
  • 高血圧
  • 喘息
  • 肥満など

30代のうちは持病を持っている方の割合は少ないですが、「予備軍」と呼ばれる方は意外と多いのです。

厚生労働省・平成29年「国民健康・栄養調査」の結果によると、20代・30代の糖尿病予備軍は、男性18.1%、女性10.5%もいると言われています。

健康診断の結果で、以下の判定があった方は糖尿病になる可能性が高いので注意が必要です。

  • 血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c)の値が平均より高い
  • 尿糖が陽性

また、30代は仕事や家庭での悩みが多くなる世代。
そのため、「統合失調症」や「うつ病」などの精神疾患にかかる方が増えてきます。

厚生労働省・平成26年(2014年)患者調査の概況によると、30代以下の入院理由は、統合失調症がいちばん多く(出産を除く)、入院日数の平均は138.9日と、かなり長期になります。

精神疾患は、誰にでも起こり得るため他人事ではない疾患である上、入院すると長期になる可能性が高く、30代の方がもつリスクでは大きいです。
また、「不慮の事故」や女性に多い「バセドウ病」なども30代で多い疾患です。

持病がある方はもちろん、持病になる可能性が高い方にも医療保険はオススメです。

でも持病があると医療保険に加入するのは難しいんじゃないの?

一般の医療保険への加入が難しい場合でも、引受基準緩和型医療保険なら加入できる可能性は高いです。

引受基準緩和型保険とは
一般の生命保険より、加入基準を緩和している生命保険のこと

引受基準緩和型保険は、保険会社によって決められた3つ程度の質問に「はい」か「いいえ」で答えるだけで告知が終了します。

すべて「いいえ」の場合は、引受基準緩和型保険の申し込みが可能で、加入できる可能性も高くなります。
つまり、持病がある方でも加入しやすく、告知が簡単なのが引受基準緩和型保険の特徴なのです。

入院や手術の治療費が心配な方

入院や手術をした際の治療費が心配な方にも医療保険はオススメです。

人が病気や怪我をした際に、いちばん最初に頭に浮かぶのが
「完治するのか」という身体への不安、2番目に浮かぶのが
「治療にいくらかかるのか」というお金の不安だそうです。

以下をご覧ください。

20代14.4日
30代13.5日
40代12.3日
50代15.2日
60代19.0日

上記は、生命保険文化センター・2019年度生活保障に関する調査を参考に、年代別の平均入院日数を表したものです。

30代の平均入院日数は13.5日
入院日数が短期化しているとはいえ、2週間以上の入院が多いことがわかります。

では、その間かかる費用はいくらぐらいなのでしょうか?
下記をご覧ください。

入院日数自己負担額
5日未満10.1万円
5~7日15.6万円
8~14日21.0万円
15~30日28.5万円
31~60日34.6万円
61日以上60.9万円
平均20.8万円

上記は、生命保険文化センター・2019年度生活保障に関する調査を参考に、入院時の自己負担額を表したものです。

30代の平均入院日数である13.5日の入院時にかかった自己負担額は21万円
全体平均では20.8万円です。

ということは、入院すると約20万円の自己負担がかかる可能性があるんだね。

でも、医療保険に加入していれば、約20万円の全額もしくは一部が給付金として受け取れます。

入院時にかかる費用は、医療費だけではありません。
食事代や差額ベッド代、日用品や交通費なども必要になるため、想像以上にお金が必要になることが多いのです。

入院や手術はいつ誰の身に起こるかわからない出来事です。
いざというときに、貯蓄を切り崩したくない方は、医療保険に加入することをオススメします。

治療方法の選択肢が欲しい方

たとえば、自分ががんの治療を受ける場合、以下の2つの治療方法があると聞いたら、どちらを受けたいと思いますか?

  • Aの治療方法は、治療期間も短く効果が高い。身体への副作用も少ない
  • Bの治療方法は、治療期間が長期になる上、身体への副作用が大きい可能性がある

当然、ほとんどの方がAを選択するでしょう。
しかし、Aの治療費はBの治療費の10倍かかると聞いたらどうでしょうか?

う~ん…。給付金が受け取れるなら迷わずAを選ぶけど、貯蓄から支払うなら迷ってしまうかも。

治療はもちろん大事ですが、生活するためのお金も大事なので、当然の意見だと思います。

下記をご覧ください。

胃がん肺がん乳がん
ステージ0687,532円1,308,727円715,404円
ステージ1924,102円1,234,497円672,299円
ステージ2155,209円840,631円717,679円
ステージ31,355,802円839,730円654,175円
ステージ4889,719円969,961円972,290円

公益社団法人全日本病院協会・2019年度重症度別医療費を基に作成

これは、疾病別の1入院当たりの医療費平均額を表したものです。
たとえば、ステージ1の肺がんで入院した場合、平均で約123万円かかることがわかりますが、この費用は平均値です。

近年、がんの治療として注目を集めている「重粒子線治療」や「陽子線治療」を行った場合は、先進医療のため300万円ほどの費用がかかります。

重粒子線治療・陽子線治療とは
がんの放射線治療の一種。
がん細胞にピンポイントで照射できるため、身体への負担が少なく、治療効果が高い先進医療のこと。

医学は年々進化しており、新しい効果的な治療方法が生み出されています。

そのため、保険適応外の場合や保険適応内でも高額な治療費がかかることも多いのです。

しかし、医療保険からの給付があれば、より良い治療を選べます
そのため、治療の選択肢が欲しい方は、医療保険が必要なのです。

結婚して家族が増えた方

20代~30代は、生活環境の変化が多い時期。
とくに、結婚して家族が増えた世帯主の方は、いろいろな保障を見直すのに最適なタイミングです。

下記をご覧ください。

20代男性46.8%
女性52.8%
30代男性74.3%
女性78.1%
40代男性79.1%
女性80.0%
50代男性79.2%
女性80.2%
60代男性69.8%
女性74.2%

上記は、生命保険文化センター・2019年度生活保障に関する調査を参考に、医療保険の加入率を年齢や性別ごとに表したものです。

30代男性の加入率は74.3%、30代女性の加入率は78.1%と、7~8割程度の方は医療保険に加入していることがわかります。

30代になると入院や怪我のリスクを気にしだす方が増えることがわかりますね。

また、30代は女性が出産をする割合も高くなり、がん罹患率が上がり始める年代でもあります。

健康なうちに加入することで、総保険料が抑えられ、帝王切開での出産も保障の対象になります。

すでに医療保険に加入している方は保障内容を確認し、足りない保障を追加することも検討してみましょう。

30代で医療保険が不要なのは医療費の心配をしない方

30代で医療保険が不要なのは「貯蓄が多く、入院や手術をした際でも医療費の心配をしない方」です。

つまり、お金に余裕のある方は、毎月の保険料を支払って入院や手術に備える必要はありません。
ただし、「先進医療」には注意が必要です。

先進医療とは
国は認めているけれど、公的医療保険の対象にならない医療のこと

先進医療の代表的な例には、がんの治療である陽子線治療や重粒子線治療などがあり、それぞれ300万円ほどの費用がかかります。

今後、医療の発達と共にさらに有効的な治療方法が生まれる可能性も高いですが、先進医療は保険適応外のため、治療費は全額自己負担になってしまいます

そのため「医療保険に加入していない状態で先進医療による治療を受けると、多額の費用がかかってしまう」ことは覚えておく必要があります。

30代にオススメしたい医療保険のポイント

30代にオススメなのはどんな医療保険?

今は保険会社のCMをテレビで見ない日はないくらい、たくさんの商品が販売されています。

たくさん商品があると、何を基準に選んだらいいのかわからないよね。

まず、前提として医療保険の基本系を理解する必要があります。

基本の保障内容

  • 入院給付金:入院をした際に「1日10,000円」などあらかじめ設定した入院日額が受け取れる
  • 手術給付金:公的医療保険の対象となる手術を行った場合に、「手術1回につき10万円」など、あらかじめ設定した金額が受け取れる

今、販売されている大半の医療保険は、上記の保障内容を主契約とし、保障を充実されられる特約を希望により付加する形式が一般的です。

以上を踏まえた上で、選ぶ際のポイントを確認していきましょう。

保険期間は終身タイプがオススメ

まずは、保険期間を検討します。
医療保険の保険期間は主に「定期」と「終身」の2タイプに分かれます。

定期タイプは「10年間」など一定の期間保障するタイプで、期間満了後は更新し、継続することが可能です。

ただし、保険料は更新時の年齢で計算されることになるため更新する度に高くなり、期間内に給付金を支払う事由が生じなかった場合は、掛け捨てになってしまいます。

一方、終身タイプは、一生涯、医療保障が続くことが特徴です。

加入時に保険料の払込期間を決めるため、払込期間終了後は「保険料の支払いはないけれど保障は亡くなるまで続く」という状況が作れます。

保険料は定期タイプより終身タイプの方が高いですが、加入時の保険料が上がることはありません。

そのため、比較的保険料の安い30代のうちに終身タイプに加入し、一生涯の医療保障を準備することで、大きな安心を手に入れることができます

でも30代から加入すると、保険料の総額が高くなりそうだよね。もう少し年をとってからの方がいいんじゃないのかな?

意外なことに、終身医療保険は若いうちに加入した方が、保険料総額も安くなるのです。
実際の保険料を確認してみましょう。

加入時の年齢による保険料比較

下記は、ある保険会社を参考にし、以下の条件で終身医療保険に加入した際の総保険料を、契約者の年齢別で表したものです。

加入条件
入院給付金:1日5,000円
手術給付金:入院時10万円・日帰り2.5万円
先進医療特約付加

加入時の年齢保険料払込期間月額保険料保険料総額
30歳男性65歳(35年間)2,115円888,300円
40歳男性65歳(25年間)3,192円957,600円
50歳男性65歳(15年間)6,007円1,081,260円
60歳男性65歳(5年間)20,391円1,223,460円

若いうちに加入すると保険料が安いため、払込期間が長くても支払う保険料の総額は安いことがわかります。

このことから、「いつか医療保険に加入するつもり」の方は、できるだけ早い加入をオススメします。

自分に必要な特約を見極める

医療保険は、入院や手術をした際に給付金が受け取れる「主契約」部分と、より保障を手厚くできる「特約」部分から成り立っています。

医療保険に加入する際には、特約を付加するかどうかも重要なポイントです。
まずは、どんな特約があるのかを確認してみましょう。

医療保険に付加できる特約は、主に下記のような内容があります。

名称保障内容給付事例
先進医療特約先進医療による療養を受けたときに給付される例:先進医療療養にかかった同額など
特定疾病一時金特約がん・心疾患・脳血管疾患の3大疾病と診断された場合に一時金が給付される例:それそれ1回につき100万円など
がん特約がんと診断された場合に一時金が給付されたり、入院日額が上乗せされたりする例:がん1回につき100万円・がんで入院した場合に入院日額が5,000円上乗せされるなど
入院一時金特約給付金の対象になる入院をした場合に一時金が給付される例:1回の入院につき5万円など
通院特約退院後(商品によっては入院前も)の通院をした場合に給付される例:1日5,000円など
死亡保障特約死亡した場合に保険金が支払われる例:死亡保険金100万円など
健康祝金特約保険を使わずに健康で過ごした場合に祝金が給付される例:5年ごとに5万円など
女性疾病特約女性特有の疾病による入院をしたときに給付される例:1日5,000円など

前提として「入院や手術をしたときの保障だけあればいい」とお考えの方は、無理に特約を付加する必要はありません。

特約を付加するとその分保険料が高くなる
後から特約のみを付加することが可能な商品も多くある

ことが理由です。

ただし、健康状態によっては希望の特約が付加できない場合もあるので、「健康な状態の方が希望の特約は付加しやすい」ことは覚えておきましょう。

30代にオススメの特約と特約保険料

30代の方にオススメしたい特約は主に以下の内容です。

入院一時金特約給付金の対象になる入院をした場合に一時金が給付される
がん一時金特約がんと診断された場合に一時金が給付される
女性疾病特約女性特有の疾病による入院をしたときに給付される
先進医療特約先進医療による療養を受けたときに給付される

1つ目の入院一時金特約は、入院による治療をした場合に入院日額とは別に給付金が受け取れる特約です。

現在は入院しても1週間以内で退院する場合が多く、短期入院でも医療は高度になっているため治療費は高いというケースが頻繁に起こります。

そんなときに入院一時金が受け取れれば、医療費負担額を軽減できるのです。
とくに、入院日額を5,000円など低めに設定している方にオススメします。

一時金の使用用途は決まっていないので、受け取ったお金は好きなことに使えますよ。

特約保険料は、30歳男性(65歳払い込み終了)が入院一時金10万円の特約を付加した場合、月額980円ほどになります。

2つ目のがん一時金特約や女性疾病一時金特約は、がんや女性特有の疾病と診断された場合に一時金が給付されたり、入院日額が上乗せされたりする特約です。

下記をご覧ください。

がん罹患率

引用:国立がん研究センター・がん情報サービス

これは、年代別で1年間に人口10万人あたり何例がんと診断されるかという、がんの罹患率を表したものです。
30代からがんの罹患率が徐々に上がっていくことがわかります。

とくに30代~50代の女性のがん罹患率は男性より高く、逆に60代以降は男性の罹患率が上がっていきます

知らなかったわ。

意外な結果かもしれませんね。

次にこちらもご覧ください。

部位別がん罹患率

引用:国立がん研究センター・がん情報サービス

これは、女性の部位別のがん罹患率を表したものです。
女性特有の疾病である「乳がん」の罹患率が、際立って高いことがわかります。

このことから、健康な30代のうちに、がんや女性疾病の保障を準備することが重要なのです。

特約保険料も確認しておきましょう。
ある保険会社で30歳男性(65歳払い込み終了)が、がん一時金100万円の特約付加した場合の特約保険料は、2,390円ほどです。

また、30歳女性が、以下の条件で終身医療保険に加入した場合の保険料は、5,048円になります。

加入条件
30歳女性・65歳払い込み終了
入院給付金:1日5,000円
女性特有の疾病やがんの場合の入院給付金:10,000円
手術給付金:入院時10万円・日帰り2.5万円
がん一時金:100万円
先進医療特約付加

入院日額は可能ならば1万円

最後に、入院日額について検討してみましょう。
医療保険に加入している方の入院日額は、5,000円~10,000円の範囲で設定している方が大方ですが、実際にこの金額で足りるのでしょうか?

入院したことないから、イマイチ想像ができないんだよね。

そうおっしゃる方は多いです。ちなみに、冒頭にご紹介したデータでは、30代の平均入院日数である13.5日の入院時にかかった自己負担額は21万円。全体平均では20.8万円でした。

もちろん治療内容により差があるので一概には言い切れませんが、1日10,000円の給付があると、入院した際の自己負担額は少なくなります

ちなみに、30代男性(65歳払い込み終了)が、入院給付金・手術給付金・先進医療特約を付加した医療保険に加入した場合、入院日額により保険料は下記のように変化します。

入院日額手術給付金月額保険料
5,000円入院時:10万円
日帰り時:2.5万円
2,115円
7,000円入院時:14万円
日帰り時:3.5万円
2,859円
10,000円入院時:20万円
日帰り時:5万円
3,855円

「世帯主は日額10,000円・配偶者は日額5,000円」など、毎月の保険料との兼ね合いも含めて、入院日額を検討することをオススメします。

30代で医療保険に加入するメリット

30代で医療保険に加入するメリット・デメリット
  1. 若いうちの方が保険料が安い
  2. 健康なうちは悪い条件がつかない
  3. さまざまなリスクに対応できる
  4. 生命保険料控除が使える

上記の1~3はここまでに解説してきた中でお伝えした通りです。

若いうちの方が健康である可能性が高い

健康な方は、医療保険加入時に悪い条件がつかない

年齢の面でも条件の面でも保険料が安い

早いうちに加入すれば、リスクに対応できる期間が長くなる

といった、良いサイクルができるのです。

生命保険料控除を使うと税金が軽減できる

4つ目の生命保険料控除は、医療保険や生命保険に加入している人だけの特典です。

生命保険料控除とは
保険契約者(保険料の支払いをしている人)が1年間に支払った保険料の一定割合が、その年の所得から控除される制度。
所得税や住民税の節税効果がある。

生命保険料控除は「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」「介護医療保険料控除」の3つの枠があり、一般的な医療保険は介護医療保険料控除の対象になります

実際にいくら控除されるのか、確認してみましょう。

新制度(2012年1月1日以降契約分)での控除額の計算方法は以下の通りです。

年間払込保険料控除額
所得税:20,000円以下
住民税:12,000円以下
年間払込保険料全額
所得税:20,000円超40,000円以下
住民税:12,000円超32,000円以下
所得税:年間払込保険料×2分の1+10,000円
住民税:年間払込保険料×2分の1+6,000円
所得税:40,000円超80,000円以下
住民税:32,000円超56,000円以下
所得税:年間払込保険料×4分の1+20,000円
住民税:年間払込保険料×4分の1+14,000円
所得税:80,000円超
住民税:56,000円超
所得税:一律40,000円
住民税:一律28,000円

また、控除限度額は以下の通りです。

一般生命保険料控除個人年金保険料控除介護医療保険料控除控除額合計
所得税4万円4万円4万円12万円
住民税2.8万円2.8万円2.8万円7万円

尚、2011年12月31日以前に契約した保険に関しては、以下の計算方法および控除限度額になるので注意が必要です。

■旧制度の控除額の計算方法

年間払込保険料控除額
所得税:25,000円以下
住民税:15,000円以下
年間払込保険料全額
所得税:25,000円超50,000円以下
住民税:15,000円超40,000円以下
所得税:年間払込保険料×2分の1+12,500円
住民税:年間払込保険料×2分の1+7,500円
所得税:50,000円超100,000円以下
住民税:40,000円超70,000円以下
所得税:年間払込保険料×4分の1+25,000円
住民税:年間払込保険料×4分の1+17,500円
所得税:100,000円超
住民税:70,000円超
所得税:一律50,000円
住民税:一律35,000円

■旧制度の控除限度額

一般生命保険料控除個人年金保険料控除控除額合計
所得税5万円5万円10万円
住民税3.5万円3.5万円7万円

生命保険料控除による節税効果の例

控除が受けられると聞いても、具体的なイメージがわかない方も多いかもしれません。
具体的な金額を用いて節税効果を確認していきましょう。

加入条件
30歳男性
65歳払い込み終了(35年間)
月額保険料5,000円

  • 年間払込保険料は、60,000円(5,000円×12ヵ月)
  • 介護医療保険料控除額は、35,000円(60,000円×4分の1+20,000円)

この方の所得税の税率が10%だった場合、介護医療保険料控除だけで年間3,500円(35,000×10%)の節税ができます


そして医療保険を35年間続けた場合、122,500円(3,500円×35年間)節税できるのです。

保障を準備しながら、節税もできるので良いこと尽くめですよね。

30代で医療保険に加入するデメリット

反対に、デメリットにはどんなポイントがあるのでしょうか?
主なデメリットは下記の2点です。

  1. あああ給付金を受け取る事由が発生しなかったときは、掛け捨てになる場合もある
  2. 健康状態によっては、特別条件がつくこともある

上記2点には、それぞれに対処法があります。

1つ目の掛け捨てを防ぐ対処法は、終身タイプに加入することです。
一般的な終身医療保険には解約返戻金がでる商品が多いので、医療保険が必要なくなった場合でも掛け捨てになることはありません。

2つ目の特別条件が付加された場合の対処法は、引受基準緩和型医療保険への加入を検討することです。

特別条件とは、持病や傷病歴のある方と健康な方との平等性を図る目的で、給付金支払条件や保険料に一定の条件がつけられることです。

主な内容は以下の通りです。

名称内容
保険金・給付金の削減一定期間もしくは全期間、保険金や給付金が何割か削減される内容
特別保険料の徴収保障内容は変わらないけれど、通常の保険料より多い金額を徴収する内容
特定部位・特定疾病不担保一定期間もしくは全期間、特定の部位や特定の疾病が不担保になる内容
特定障害不担保一定期間もしくは全期間、特定の障害状態が不担保になる内容

不担保とは
不担保に該当する病気や部位による入院や手術があった場合は、給付金の対象にならないこと

とくに注意したい特別条件は、特定部位や特定疾病不担保です。

特定部位・特定疾病不担保がつくと、持病に関しては保障されないってことよね。

そうなんです。でも、引受基準緩和型医療保険なら持病も保障されるんですよ。

特別条件の内容だと欲しい保障が準備できない場合は、引受基準緩和型医療保険を検討しましょう。

30代にオススメの医療保険以外の商品

30代にオススメの保険は医療保険だけではありません。

以下の保険に加入することで自分や家族を守れる保障が大きくなるため、30代のうちから計画的に準備を始めることがオススメです。

個人年金保険老後に受け取れる年金の積み立てをする貯蓄系の保険。受取開始年齢と年金額は、加入時に決まっている商品が多い
学資保険子どもの教育資金を積み立てる貯蓄系の保険。受取年齢と受取額は加入時に設定し、契約者が万一のときには、保険料の払い込みが免除になることが特徴
就業不能保険病気や怪我などにより、保険会社の定める「就業不能状態」になった場合に、あらかじめ決められた金額を毎月受け取れる
終身保険・定期保険・収入保障保険などの死亡保険被保険者が死亡もしくは高度障害に該当した場合に、保険金が受け取れる

個人年金保険は老後生活への積み立てを検討している方に、学資保険や就業不能保険や死亡保険は、30代で子どもが誕生した方にオススメです。

公的医療制度を再確認

公的医療制度について

最後に、国の制度を再確認しておきましょう。

公的医療制度は、任意で加入する医療保険とは全く別のものなので、支給条件に当てはまれば両方とも受け取ることが可能です。

ただし、公的医療制度は、自動で適用される制度ではありません。
つまり、知らない人は損をしてしまいまうのです。

自分から行動しないとダメってことだね。

そうなんです。そのためにも使える制度はしっかり把握しておきましょう。

医療費が戻ってくる高額療養費制度

高額医療費制度とは、医療費が高額になった時に、払い戻しが受けられる制度です。
年齢や所得状況に応じて自己負担額限度額が設定され、その金額を超えた場合に払い戻しの申請が可能になります。

一般のサラリーマンの方であれば、約9万円を超えた医療費が払い戻されるというイメージです。

高額療養費制度について
適用区分(69才以下の方)ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円80,100円+(医療費-267,000)×1%
~約370万円57,600円
住民税非課税世帯35,400円

上記の表を確認の上、総医療費100万円の場合の自己負担額を確認してみましょう。

総医療費100万円の場合の自己負担額

  • 年収600万円の方の場合
  • 80,100+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円

■健康保険からは70万円
■高額療養費から約21万円
自己負担額は約9万円となります

高額医療費制度は1カ月単位での計算になります。そのため、月をまたいでの入院の場合は計算が変わってくるので、注意しましょう。

申請の流れは以下の通りです。

高額療養費制度で払い戻しを受ける流れ

  1. 医療機関に医療費の自己負担分を支払う
  2. 健康保険高額療養費支給申請書や本人確認書類、領収証を揃えて記入する
  3. 加入している健康保険組合や国民健康保険に申請を行う
  4. 審査の上、3ヶ月程度で指定した金融機関に払い戻し

自己負担額を抑えることができる限度額適用認定

治療を受ける前から医療費が高額になることが分かっている時に、事前に認定を受けておけば、窓口で支払う自己負担額を一定額以内に抑えられるという制度です。

自己負担限度額は、高額療養費制度の金額と同額です。
申請の流れは以下でご確認ください。

限度額適用認定を受ける流れ

  1. 申請書や本人確認書類等の添付資料を揃えて記入する
  2. 加入している健康保険組合や国民健康保険に申請を行う
  3. 限度額適用認定証が送られてくる
  4. 治療を受ける際に、健康保険証とともに限度額適用認定証を提示する

ただし差額ベッド代のような保険外負担分や入院時の食事負担等は対象外になるので、注意が必要です。

仕事を休んでいる間でもお金を受け取れる傷病手当金

がんの治療などで会社を休み、仕事ができない状況で収入が途絶えた時に受けられる手当です。
連続して3日以上休んだあと、4日目以降の休んだ日に対して支給され、職場復帰するまで最長1年6ヶ月まで支給されます。

ただし有給休暇等で給与が支払われている日はカウントしません。
また、支給開始から1年6ヶ月を超えた場合は、仕事に復帰できなくても傷病手当金はそれ以降支給されないので、覚えておきましょう。

所得税の節税ができる医療費控除

1年間に支払った医療費が一定以上だった場合に、所得税が安くなる制度です。医療費控除の金額は、以下の式で計算できます。

医療費控除額

実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金などで補てんされる金額 ー 10万円

もし受け取る保険金や給付金がなかった場合は、医療費が10万円を超えた時点で医療費控除の制度が利用できます。

また所得が低い人(総所得金額等が200万円未満)に関しては、計算式によらず総所得金額等の5%の金額です。

医療費控除を申請するには、確定申告を行う必要があり、会社で行われる年末調整では医療費控除はできませんので、注意しましょう。

医療費控除の申告の流れは以下の通りです。

医療費控除の流れ

  1. 確定申告書、医療費控除の明細書、医療費の領収証、源泉徴収票、本人確認書類等を準備する
  2. 源泉徴収票の内容を確定申告書に転記する
  3. 医療費の明細を記入する
  4. 確定申告書で所得税額を計算する

ちなみに、医療費控除は国税庁確定申告書作成コーナーのサイトから申告も可能で、その場合は、確定申告書と医療費控除の明細書は必要ありません。

30代にオススメしたい医療保険とは?必要性から保障内容まで徹底解説!まとめ

この記事では30代にオススメの医療保険についてご紹介してきました。
最後に大事なポイントをおさらいしておきましょう。

  • 30代で医療保険への加入をオススメしたい方は「持病のある方」「入院や手術時の治療費が心配な方」「治療方法の選択肢が欲しい方」「結婚などで家族が増えた方」
  • 医療保険に加入する際には、基本的な保障内容の他、保険期間や特約の付加、入院日額などを検討するべき
  • 30代で医療保険に加入するメリットには、安い保険料でさまざまなリスクに対応できる他、生命保険料控除が利用できることもある
  • 加入時の審査で特別条件がついた場合は、引受基準緩和型医療保険も候補にすることがオススメ

今回は医療保険を中心にご紹介してきましたが、生活スタイルが大きく変化する30代には、今後のライフイベントを考慮し、総合的に保障を見直す必要があります。

しかし、漠然としたイメージだけで何十年も先のことまで考えるのは難しい作業でしょう。
そんなときは弊社にご相談ください。

弊社のファイナンシャルプランナーなら、今後のライフイベントを一緒に検討し、具体的に必要な保障を提案させていただきます。

オンラインや電話でのご相談も可能なので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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