監修横田 正則株式会社キューブコンサルティング 代表取締役/損害保険トータルプランナー・AFP
詳しくストレスチェックの義務化はいつから?50人未満の会社が2028年4月までにすること

この記事は2026年10月時点の情報にもとづいています(最終更新:2026年10月18日)。
ストレスチェックの義務化とは、従業員50人未満の事業場にも、2028年(令和10年)4月1日からストレスチェックの実施が義務付けられることです。根拠は改正労働安全衛生法で、これまで50人未満の事業場は努力義務でした。50人以上の事業場は、2015年12月からすでに義務になっています。
「うちは小さな会社だから関係ない」と考えている経営者も、2028年4月からは対象になります。この記事では、義務化の内容、50人の数え方と対象者、実施の流れを説明します。あわせて、会社が守るべきルール、小さな会社が使える無料の支援、罰則も解説します。最後に、心の不調が労災になったときの会社の責任と備えを紹介します。
- ストレスチェックは、2028年4月1日から、従業員50人未満の事業場でも年1回の実施が義務になります。
- 50人未満の事業場は、外部の機関に実施を委託することが国のマニュアルで推奨されており、労働基準監督署への報告は不要です。
- 結果は本人に直接通知され、会社が見るには本人の同意が必要です。受検しないことなどを理由に不利益に扱うことは禁止されています。
- ストレスチェックの実施そのものに直接の罰則はありません。ただし、心の不調が労災になると、会社が安全配慮義務違反で賠償を求められることがあります。
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無料で確認ストレスチェックの義務化とは?50人未満の事業場は2028年4月1日から
ストレスチェックの義務化で、従業員50人未満の事業場も、2028年4月1日から年1回のストレスチェックをしなければならなくなります。根拠は、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)です。施行日は、2026年6月に公布された政令で決まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2028年(令和10年)4月1日 |
| 根拠の法律 | 労働安全衛生法 第66条の10(2025年5月14日公布の改正法) |
| 対象 | 従業員50人未満の事業場(これまでは努力義務) |
| すでに義務の事業場 | 従業員50人以上の事業場(2015年12月から) |
| 施行までの扱い | 50人未満は引き続き努力義務 |
(出典:厚生労働省 第176回・第185回 労働政策審議会安全衛生分科会資料、佐賀労働局 報道発表資料、厚生労働省リーフレット「ストレスは見えません。チェックしましょう。」2026年6月、厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」平成27年4月)
「2026年4月から義務化」ではない
検索では「2026年4月に義務化される」という情報も見かけます。2026年4月1日は、改正労働安全衛生法の多くの部分が始まった日です。ストレスチェックの50人未満への拡大は、準備の期間をとるため、2028年4月1日と別に決められました。
50人以上と50人未満で何が違うか
2028年4月以降も、50人以上の事業場と50人未満の事業場では、いくつかの点で扱いが違います。
| 項目 | 50人以上の事業場 | 50人未満の事業場(2028年4月から) |
|---|---|---|
| ストレスチェックの実施(年1回) | 義務 | 義務(施行まで努力義務) |
| 高ストレス者への医師の面接指導 | 義務(本人の申出があれば) | 義務(本人の申出があれば) |
| 集団分析と職場環境の改善 | 努力義務 | 努力義務 |
| 労働基準監督署への報告 | 義務(年1回) | 不要 |
| 実施方法の話し合い | 衛生委員会(50人以上で設置義務)などで話し合う | 関係する労働者の意見を聴く |
(出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」2026年2月、厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」)
「50人」の数え方と、ストレスチェックの対象者
「50人」は、会社全体ではなく、事業場(支店・工場・店舗など)ごとに数えます。会社全体で90人いても、各事業場が50人未満なら、今は各事業場とも50人未満の扱いです。ただし2028年4月からは、50人未満の事業場も実施の義務を負います。
50人の数え方と、実際に検査を受けてもらう対象者は、別のルールです。
| 区分 | ルール |
|---|---|
| 50人の数え方 | 事業場ごとに数える。週1回しか出勤しないパート・アルバイトでも、継続して使用していれば数に含める |
| 検査の対象者 | 期間の定めのない契約(契約期間1年以上や、更新で1年以上使う予定の人を含む)で、週の労働時間が通常の労働者の4分の3以上の人 |
| 派遣社員 | 実施の義務は派遣元の会社にある(派遣先は努力義務) |
| 受検の義務 | 労働者に受検の義務はない。就業規則で義務付けて懲戒するなどの強要はしてはいけない |
(出典:厚生労働省「ストレスチェック制度関係Q&A」、厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」2026年2月)
人数が50人前後で増えたり減ったりする会社は、2028年4月以降は人数にかかわらず実施することになります。
- 2028年4月1日から50人未満の事業場も年1回の実施が義務になります
- 50人未満への拡大は2026年4月ではなく2028年4月1日からです
- 50人は事業場ごとに数え、継続して使うパートも含めます
ストレスチェック制度の内容と実施のルール
ここでは、ストレスチェックがどんな検査か、50人未満の事業場でどう進めるか、会社が必ず守るルールを順に説明します。
ストレスチェック制度とは:目的と検査の内容
ストレスチェック制度とは、従業員が質問票に答えて自分のストレスの状態を知り、心の不調を未然に防ぐための仕組みです。病気を見つけるための検査ではなく、本人の気づきと、職場のストレス要因の改善につなげることが目的です。
検査では、次の3つの領域について質問します。国は、57項目の「職業性ストレス簡易調査票」を使うことが望ましいとしています。
- 仕事のストレスの原因(仕事の量や、自分で決められる度合いなど)
- ストレスによる心や体の自覚症状
- 上司や同僚からの支援
(出典:厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」)
検査を実施できるのは、医師、保健師、一定の研修を受けた歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師です(実施者)。社長や人事部長など、人事に関して直接の権限を持つ人は、実施の事務に関わることができません。小さな会社では社長が人事の権限を持つことが多いため、社内だけで実施するのは難しいのが実情です。
ストレスチェックの実施の流れ(50人未満の事業場の場合)
50人未満の事業場では、国のマニュアルが、外部の機関に委託して進める流れを示しています。会社がする準備と、外部の機関がすることを分けて考えると分かりやすくなります。
| 順番 | やること | 主に担う人 |
|---|---|---|
| 1 | ストレスチェックを行う方針を決め、従業員に表明する | 会社(社長) |
| 2 | 実施体制・方法について、関係する従業員の意見を聴く | 会社 |
| 3 | 社内ルールを決める(実施体制、方法、記録の保存、情報の管理、不利益な扱いの防止) | 会社 |
| 4 | 委託先との連絡調整をする実務担当者を指名し、外部の機関に委託する | 会社 |
| 5 | 従業員が質問票に答える(Webや紙) | 従業員・委託先 |
| 6 | 結果を、他の人に分からない形で本人に直接通知する | 委託先(実施者) |
| 7 | 高ストレスで本人が申し出た人に、医師の面接指導を行う | 委託先または地域産業保健センターの医師 |
| 8 | 医師の意見を聴き、必要なら仕事の量の調整などの措置をとる | 会社 |
| 9 | 集団分析をして、職場の改善に生かす(努力義務) | 委託先・会社 |
(出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」2026年2月)
面接指導は、本人の申出から遅滞なく(おおむね1か月以内)行います。面接指導の後、おおむね1か月以内に医師の意見を聴き、必要があれば、労働時間の短縮や作業の転換などの措置をとらなければなりません。マニュアルの規程例では、従業員が面接指導を申し出る期限を、結果を受け取ってから30日以内としています。

長時間働いた従業員への医師の面接指導は、ストレスチェックとは別の義務です。こちらは過重労働とはで説明しています。
会社が必ず守るルール:結果の扱いと不利益な取扱いの禁止
ストレスチェックで会社が最も注意すべきなのは、従業員のプライバシーと、不利益な取扱いの禁止です。小さな会社ほど人間関係が近く、誰の結果か分かりやすいため、国のマニュアルも特に注意を求めています。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 結果の通知 | 個人の結果は、実施者から本人に直接通知する |
| 会社への提供 | 会社が個人の結果を受け取るには、本人の事前の同意が必要 |
| 人事権を持つ人 | 社長や人事部長などは、実施の事務に関われない |
| 不利益な取扱いの禁止 | 面接指導の申出、結果だけ、受検しないことなどを理由に、解雇、契約を更新しない、退職勧奨、不当な配置転換などをしてはいけない |
| 集団分析 | 集計の単位が10人を下回る場合は、個人が特定されるおそれがあるため、原則として会社は結果の提供を受けない |
| 記録の保存 | 面接指導の結果の記録は5年間保存する。50人未満では、ストレスチェックの結果は委託先で保存させることが望ましい |
(出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」2026年2月、労働安全衛生法 第66条の10)
少人数の会社の集団分析
従業員が10人ほどの会社では、部署ごとの集団分析の結果を会社が受け取れないことが多くなります。それでも、委託先から職場全体の傾向について助言を受けたり、従業員の意見を聴いたりして、職場の改善につなげることはできます。
- 病気を見つける検査ではなく、本人の気づきと職場の改善が目的です
- 結果は本人に直接通知され、会社が見るには本人の同意が必要です
- 受検しないことなどを理由に不利益に扱ってはいけません
外部委託と無料の公的支援で整える小さな会社の実施体制
50人未満の事業場では、ストレスチェックを外部の機関に委託し、面接指導は委託先か地域産業保健センターに頼む形が現実的です。国のマニュアルも、原則として外部委託を推奨し、個人の結果などの健康情報は外部の機関の中で完結させ、社内では扱わない形を示しています。
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国の無料の支援
国の主な支援は次のとおりです。
| 支援 | 内容 |
|---|---|
| 地域産業保健センター | 全国に約350か所(おおむね労働基準監督署の管轄ごと)。登録された産業医が、50人未満の事業場を優先して無料で支援する。高ストレス者の面接指導を頼める |
| 産業保健総合支援センター | 各都道府県にあり、研修や個別訪問での支援を無料で行う |
| サポートダイヤル | ストレスチェック制度について電話で相談できる(0570-031050) |
| 厚生労働省のマニュアル | 「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(2026年2月25日公表)、概要版・リーフレット(2026年3月25日公表) |
(出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」、同スタートガイド、厚生労働省「こころの耳」ストレスチェック制度について(労働者数50人未満の事業場))
大企業の営業所などで、本社の産業医の協力が得られる場合は、地域産業保健センターを利用できないことがあります。
委託先を選ぶときの確認点
委託先を選ぶときは、料金だけでなく、次の点を確認しておくと安心です。この表は、国のマニュアルが示すルールをもとに当社で整理したものです。
| 確認する点 | 見るところ |
|---|---|
| 実施者 | 医師・保健師など、実施者になれる資格の人が実施するか |
| 結果の扱い | 個人の結果を委託先で保存し、本人の同意なく会社に渡さない仕組みか |
| 面接指導 | 高ストレス者の面接指導まで対応するか。しない場合、地域産業保健センターとどうつなぐか |
| 集団分析 | 少人数でも個人が特定されない形で分析・報告するか |
| 実施方法 | Webか紙か。従業員が答えやすいか |
| 費用 | 1人あたりの費用と、面接指導の費用が別かどうか |
- 外部委託し、面接指導は委託先か地域産業保健センターに頼む形が現実的です
- 地域産業保健センターは50人未満の事業場を優先して無料で支援します
- 委託先は料金だけでなく、結果の扱いや面接指導の対応も確認します
罰則とリスク、小さな会社の実施状況
ストレスチェックをしなかったときに会社が問われることと、小さな会社での実施状況、心の不調の労災の状況を説明します。
ストレスチェックをしないと罰則はある?やらないとどうなるか
ストレスチェックを実施しないこと自体には、直接の罰則はありません。労働安全衛生法の罰則の条文(第119条・第120条)に、ストレスチェックの実施(第66条の10)は挙げられていないためです。一方、50人以上の事業場には、労働基準監督署への年1回の報告の義務があります。報告をしない、または虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法 第100条第1項・第120条第5号)。50人未満の事業場は、2028年4月以降も報告は不要です。
ただし、罰則がないことは、リスクがないことを意味しません。会社には、従業員が生命や身体などの安全を確保しながら働けるよう、必要な配慮をする義務(安全配慮義務、労働契約法第5条)があります。従業員が仕事のストレスで心の病気になったとき、安全配慮義務を果たしたかどうかは個別の事情で判断されるため、早めに取り組んでおくことが大切です。
| 会社が問われ得ること | 内容 |
|---|---|
| 行政の指導 | 法律の義務を守っていない場合、労働基準監督署から指導を受けることがある |
| 損害賠償 | 心の病気の原因が仕事にあり、会社の配慮が足りなかったと判断されると、賠償を求められることがある |
| 結果の扱いの違反 | 同意なく結果を見る、受検しない人を不利に扱うなどは、法律のルールに反する |
過重な仕事でうつ病になった社員の事案があります。本人は、通院や病名を会社に伝えていませんでした。最高裁は、それを理由に賠償額を減らすことはできないと判断しました(東芝事件、最高裁 平成26年3月24日判決)。心の不調は本人が言い出しにくいものです。ストレスチェックや日頃の面談は、会社が早めに気づくための仕組みの一つになります。
安全配慮義務の考え方は安全配慮義務とはで説明しています。

小さな会社ほど遅れている:実施状況と心の不調の労災
厚生労働省の調査では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は63.0%で、10〜29人の事業所では54.6%にとどまります。取り組んでいる事業所のうち、ストレスチェックを実施しているのは、50人以上で89.8%です。一方、30〜49人では58.4%、10〜29人では55.9%です。
(出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」2026年8月7日公表)
| 事業所の規模 | メンタルヘルス対策に取り組む事業所 | そのうちストレスチェックを実施 |
|---|---|---|
| 10〜29人 | 54.6% | 55.9% |
| 30〜49人 | 72.0% | 58.4% |
| 50人以上 | 93.7% | 89.8% |
| 全体 | 63.0% | 64.0% |
(出典:同上。常用労働者10人以上の民営事業所が対象)
同じ調査で、過去1年間に、心の不調で連続1か月以上休んだ、または退職した従業員がいた事業所は13.5%でした。10〜29人の事業所でも6.8%、30〜49人では18.3%あります。
仕事が原因の心の病気(精神障害)で労災と認められた件数も増えています。令和7年度の支給決定は、前年度より26件増え、1,082件でした。請求は4,958件でした。原因の出来事で最も多いのは、上司などからのパワハラで222件でした。顧客などからの著しい迷惑行為(いわゆるカスハラ)とセクハラも、それぞれ127件ありました。
(出典:厚生労働省「令和7年度『過労死等の労災補償状況』」2026年7月15日公表)
ハラスメントの防止は、パワハラ対策(中小企業も2022年4月から)とカスハラ対策(2026年10月から)がすでに会社の義務です。パワハラ対策の内容はパワハラ防止法で会社がすべきことで説明しています。
- 実施しないこと自体に直接の罰則はありません
- 罰則がなくても、安全配慮義務を問われることがあります
- 小さな事業所ほど、ストレスチェックの実施の割合が低くなっています
高ストレス者や心の不調の人が出たときの会社の対応と保険での備え
高ストレス者から面接指導の申出があったら、医師の面接指導を受けてもらい、医師の意見を聴いて仕事の量や働き方を調整します。休業が必要になった場合は、厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示す5つのステップが参考になります。50人未満の事業場では、地域産業保健センターなどの外部の資源を使うことが示されています。
心の病気が仕事によるものとして労災と認められるかは、「心理的負荷による精神障害の認定基準」で判断されます。認定の要件や休職・復職の進め方は、精神障害の労災認定で詳しく説明しています。
心の不調への保険での備え
心の不調で会社に生じるお金の負担の一部は、労災上乗せ保険(業務災害補償保険)などで備えられることがあります。ただし、心の病気はケガと扱いが違うのが一般的です。補償の内容は商品や契約内容によって異なります。
| 会社に起きること | 備えられる保険・特約(一般的な例) | 注意点 |
|---|---|---|
| 心の病気で労災と認められた従業員に、会社が補償金を払う | 労災上乗せ保険(法定外補償) | 精神障害などの業務上の病気は、政府労災の認定が出た場合に限って補償する設計が一般的。認定されても支払われない場合がある |
| 安全配慮義務違反で損害賠償を求められる | 使用者賠償責任保険 | 政府労災の給付などを差し引いた額をもとに支払う設計が一般的 |
| 弁護士に相談する、職場復帰を支援する | 法律相談費用・事業者費用の特約 | 保険会社の事前の同意が必要なことが一般的 |
商品によっては、心の不調に関わる次のような費用を特約で補償するものもあります。
- 休職している従業員の社会保険料のうち、会社が負担する分
- 代わりの人を採用する費用や、仕事を外注する費用
- 職場復帰に向けた産業医との面談や研修などの費用
- 再発を防ぐ対策をつくるための専門家の費用
保険に付いている無料のサービスが、ストレスチェックの準備に役立つこともあります。商品によっては、次のようなサービスを契約している会社が無料で使えます。
- 国の「職業性ストレス簡易調査票」(57項目)を使ったWebのストレスチェック
- 経営者向けの、社会保険労務士・弁護士・臨床心理士などへの電話相談
- 従業員向けの電話カウンセリングや面談カウンセリング
使える内容や回数は商品によって異なります。今の契約にこうしたサービスが付いているかを確認しておくと、外部に委託する費用を抑えられることがあります。
政府労災(国の労災保険)は、慰謝料を補償しません。当社に寄せられる相談では、「労災があるから大丈夫」という声をよく聞きます。しかし、心の病気をめぐる賠償は会社が負うことがあります。今の契約で、心の病気が対象になるか、政府労災の認定が条件か、賠償がどう扱われるかを確認しておくと安心です。
保険の全体像は労災上乗せ保険とは、賠償への備えは使用者賠償責任保険とはで説明しています。
- 申出があれば医師の面接指導を受けてもらい、働き方を調整します
- 心の病気の補償は、政府労災の認定が条件の設計が一般的です
- 今の保険で心の病気や賠償がどう扱われるか確認しておくと安心です
2028年4月までに準備すること(チェックリスト)
2028年4月1日の施行に向けて、50人未満の事業場は次の順番で準備を進めると、無理なく始められます。
- 事業場ごとに、対象になる従業員の人数と顔ぶれ(パート・契約社員を含む)を確認する
- 社長名で、ストレスチェックを行う方針を決める
- 委託先の候補(健診機関・専門の機関など)を調べ、見積もりと対応範囲を比べる
- 管轄の地域産業保健センター・産業保健総合支援センターの連絡先を確認する
- 実務担当者を決める(人事の権限を持たない人)
- 従業員の意見を聴き、社内ルール(結果の扱い、記録の保存、不利益な扱いの禁止)を決めて周知する
- 高ストレス者から申出があったときの流れ(面接指導の依頼先、医師の意見を聴いた後の措置)を決める
- 心の不調で休む人が出たときの休職・復職のルールと、保険の補償内容を確認する
施行までの間も、50人未満の事業場でのストレスチェックは努力義務です。国のマニュアルにそって早めに一度試しておくと、2028年4月に慌てずにすみます。就業規則や社内ルールを変えるときは、社会保険労務士に相談すると安心です。
- 人数の確認、方針、委託先、社内ルールの順に準備を進めます
- 施行までは努力義務のため、早めに一度試しておくと慌てずにすみます
- 就業規則や社内ルールを変えるときは社会保険労務士に相談すると安心です
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まとめ
- ストレスチェックは、2028年4月1日から、従業員50人未満の事業場でも年1回の実施が義務になります。
- 50人は事業場ごとに数え、パートも含めます。検査の対象者は、契約期間と週の労働時間で決まります。
- 結果は本人の同意なく会社が見られず、社長は実施の事務に関われません。50人未満は外部委託が推奨され、地域産業保健センターを無料で使えます。
- 実施しないこと自体に直接の罰則はありません。ただし、心の不調が労災になれば、会社が賠償を求められることがあります。
- 委託先と社内ルールを早めに決め、心の病気の補償が今の保険でどう扱われるかも確認しておきましょう。
代理店の現場から(監修者コメント)
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参考資料
- 厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html
- 厚生労働省「『小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル』を公表します」(2026年2月25日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69680.html
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001646587.pdf
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル スタートガイド」(令和8年3月) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001678875.pdf
- 厚生労働省リーフレット「ストレスは見えません。チェックしましょう。」(令和8年6月) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001679776.pdf
- 厚生労働省「こころの耳」ストレスチェック制度について(労働者数50人未満の事業場)
- 厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」(平成27年4月) https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150422-1.pdf
- 厚生労働省「ストレスチェック制度関係Q&A」(神奈川労働局掲載) https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/var/rev0/0119/0630/20161114151345.pdf
- 厚生労働省 第176回安全衛生分科会資料2「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001492949.pdf
- 厚生労働省 第185回安全衛生分科会資料2-2(施行期日政令案) https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001700863.pdf
- 佐賀労働局 報道発表資料(ストレスチェックの施行日) https://jsite.mhlw.go.jp/saga-roudoukyoku/content/contents/002836588.pdf
- 厚生労働省「令和7(2025)年『労働安全衛生調査(実態調査)』の概況」(2026年8月7日) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r07-46-50_gaikyo.pdf
- 厚生労働省「令和7年度『過労死等の労災補償状況』」(2026年7月15日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74476.html
- 厚生労働省「改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf
- 最高裁判所「裁判例検索」平成23(受)1259(東芝事件) https://www.courts.go.jp/hanrei/84051/detail2/index.html
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(第66条の10、第100条、第119条、第120条) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057
- e-Gov法令検索「労働契約法」(第5条) https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128
この記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。補償の内容は商品や契約内容によって異なります。ストレスチェックの社内ルールや個別の労務の判断が必要な場合は、社会保険労務士・産業医・弁護士などの専門家にご相談ください。






50人未満の会社にとって、ストレスチェックをどこに頼むかは悩みどころだと思います。保険会社によっては、業務災害の保険に、無料のストレスチェックや電話でのメンタル相談などのサービスが付いているものがあります。すでに加入している保険で使えるサービスがないか、一度確認してみてください。法律で求められる実施方法を満たすかはあわせて確かめる必要がありますが、費用をかけずに準備を始められる場合があります。