マンション総合保険の無事故割引について知ってほしい2つのこと

みなさんこんにちは。
保険相談ラボ編集部です。

今回は保険相談ラボに寄せられた質問について回答していきます。

マンションのごみ置き場に付いている照明とその周りが誰かに壊されていました。
マンション総合保険で対象になるとのことだったのですが、保険代理店に相談したところ、「次契約の保険料(掛金)が上がってしまうから、保険は使わない方がいい」と言われました。
火災保険は使っても掛金が上がらないと聞いたことがあるのですが、どういうことでしょうか?

自動車保険であればノンフリート等級制度という割引制度があるので、事故がなければ割引が増え掛金が安くなり、事故などで保険を使った場合には割引が少なくなるので、掛金が高くなります。

なんとなく、このような制度があることをご存知の方も多いのではないでしょうか?

しかし、火災保険には等級制度がないので、個人が契約する火災保険では、保険を使ったかどうかで次契約の掛金が変わる仕組みはありません。

Mさんは、ご自身の専有部分にかける火災保険の説明で、火災保険は使っても掛金が上がらないと聞いたのでしょう。
Mさんがいうマンション総合保険とは、マンション共用部分にかける火災保険のことです。

同じ火災保険ですが、Mさんのマンションが加入しているマンション総合保険はなぜ保険を使うと値上がりするのでしょうか?

目次

マンション管理組合が加入する火災保険の無事故割引制度

マンション管理組合が加入する火災保険の無事故割引制度

マンション総合保険の保険料(掛金)が上がるタイミングは、保険会社が保険料率の改定(値上げ等)を行う場合が多いですが、今回の問い合わせは改定とは違うようです。

「保険を使ったら保険料(掛金)が上がる」ということだったので、事故率が悪化し割引が少なくなることが原因だと思われます。

マンション総合保険の“事故状況”によって割引を適用

マンション総合保険には、「無事故割引」という割引の制度があります。

保険会社によっては採用していなかったり、採用していても割引率がどれくらいになるのかは保険会社ごとに異なります。

マンション総合保険の無事故割引は、保険金を請求していない(保険を使っていない)マンションほど、掛金を安くする制度です。

この制度の最も重要視する点は、本当に事故があったかどうかではなく、保険金を受け取ったかどうかというところです。

火災や台風などで損害を被ったり、保険会社へ相談した時点では、割引制度でいう事故には当たりません

なので、Mさんの質問のように「保険を使ったら」次契約の保険料が上がる、ということになります。

この割引制度は、マンションの事故状況や管理状況から、マンションを診断するドクターのようなものでもあります。
保険会社によっては、マンション管理士による診断を実際に行い、その診断結果に応じた割引を適用するところもあります。

まさに、管理組合の役員のみなさんが頑張っているマンションの管理状況や管理組合の運営状況によって、保険の掛金が安くなる制度です。
頑張っている管理組合ほど掛金が安くなる制度なので、とっても良いと思いませんか?

成績期間

無事故割引は、ある一定期間にマンションの保険を使ったかどうかや、保険金受取が何件あったかなどで割引率が変わります。

事故をカウントする期間については、保険会社によって異なりますが、保険の始まる日から6ヶ月前の、過去1年間というように決めているところが多いです。

その期間のことを「成績期間」といいます。

その間に保険金を受け取った事故が何件あったかをカウントし、事故の発生率によって保険料割引率を何%にするのかが決まります。

マンション総合保険 無事故割引のポイント

マンション総合保険 無事故割引のポイント

無事故割引はマンション総合保険の制度として良いものではありますが、気をつけなければならないこともあります。

保険を使うか、無事故割引のために使わないか

掛金の割引率は保険会社によって異なり、事故の発生率をどれくらいの基準で割引率を算定しているかも違います。

掛金が上がると言われた場合は、概算でどれくらい上がるのかわかるはずなので、保険を案内している方に聞いてみましょう。

たとえば、修理費用1万円の被害たった1件のために、次契約の掛金が30万円アップしたのでは、保険金請求するのがもったいないという感じです。

次契約の掛金の上がり幅と被害額、何件に到達したら掛金が上がるのかを比較してみると、保険を使ったほうが良いかどうかの判断材料になります。

保険会社を変えても、事故歴は引き継がれる

保険金の支払を受けても、次の契約を他の保険会社にすれば良いという考えも出てくるでしょう。

しかしマンション総合保険で保険金を受け取った事故の件数は、保険会社を変更しても引き継がれます

新しい契約が無事故割引の制度がない保険会社との契約であれば関係ないですが、無事故割引のある保険会社へ切り替えた場合は、契約時に前の契約の事故歴を確認されます。

もともと無事故割引がない保険会社から無事故割引のある保険会社へ切り替えた場合も同様です。

マンション総合保険の割引制度 まとめ

マンション総合保険の無事故割引について話しましたが、いかがでしたでしょうか?

2つのポイント、マンション総合保険には無事故割引という制度があるということ。
割引のポイントは、保険の請求をしたかどうかという事でした。

保険を使うべきかの判断をするなど、加入した保険の運用方法も次契約に向けての割引に影響する重要な要素でもあります。

無事故割引が適用されている契約は、マンション管理組合にとってかなりお得になります。

高い割引率を継続するためには、マンションの管理をしっかり行い、保険金請求するような事故を防ぐことも大事になります。

それでも掛金が上がってしまって困ったという場合には、ぜひ保険相談ラボにご連絡ください。

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